積雪する玉山
約1947年 板、油彩 23.5×33cm 個人藏
翻譯:李姵蓉
審稿:張銘今
校對:李姵蓉
赤褐色の地面、樹木の緑が鬱蒼とした色濃い山々、山脈を覆い尽くす白銀の雪、静けさを湛えて淀む濃紺の空。これら深遠さと荘厳さを備えた気韻が、重厚な油彩に沈殿し、堆く積み重なって、画家が感じた自然界への礼賛と崇敬の念となって現れている。
変化に富んだ色彩が、ごくシンプルなタッチのなかに包みこまれている。この作品を通して陳澄波が訴えたかったのは、長々とした物語ではなく、言葉を凝縮した一首の詩である。その詩句に詠われた玉山は、高々と聳え、清らかな光をまとい、この島の気高い精神の化身となって全てを見守っているかのようだ。
By 陳韋聿