年代不詳 キャンバス、油彩 35.7×42.6㎝ 個人蔵
翻譯:富田哲
大自然をアトリエとしていた陳澄波は、淡水の郊外にも美しい山水画の世界を見出していたのだろう。小舟に乗る漁師は帆柱にもたれかかってうとうとし、カモの群れが水面に遊んでいる。対岸には広い田野が広がり、遠く大屯山の下にまでおよんでいる。開けた視野の中に農民が黙々と働いている姿がぼんやりと浮かび、山河の間を時がおだやかに流れている。川べりで釣り糸をたれている父子は、その静けさの中をさまよっているのだろうか。By 陳韋聿
大自然をアトリエとしていた陳澄波は、淡水の郊外にも美しい山水画の世界を見出していたのだろう。小舟に乗る漁師は帆柱にもたれかかってうとうとし、カモの群れが水面に遊んでいる。対岸には広い田野が広がり、遠く大屯山の下にまでおよんでいる。開けた視野の中に農民が黙々と働いている姿がぼんやりと浮かび、山河の間を時がおだやかに流れている。川べりで釣り糸をたれている父子は、その静けさの中をさまよっているのだろうか。